成り買いの危険性
よく日経ニュースなどで取り上げられたニュースに反応し、それに関連した銘柄が思惑で突然急騰する場合がある。
元々材料があって人気がある株なら追い風にもなるが、低位株が突然急騰した場合、寄り付きを成り買いするのは非常に危険である。
それまで長期間に渡って塩漬けとなっていた銘柄の場合、突如上がるとここぞとばかりに大量の売りが入る事が往々にしてあるものだ。
一度ストップまで行き、その後一気にナイアガラとなるケースは非常に多い。
本日(平成26年4月21日)、それが起きた。
4月19日の土曜日に貸金業法改正のニュースが流れ、4月19日の朝の気配は貸金業祭り一色となった。
特にアコムは寄り付きいからストップ高となったが、寄り付きと同時にはがれ、その後1時間ちょっとで上げ幅が半分まで下落した。
その他でもオリコや新生銀行アイフル等、のきなみ寄り天となり、同じ値動きを見せた。
朝一寄り付きで買い、大損をした人は多いのではないだろうか。
こういう場合、元々のホルダーは莫大な利益を得られるが、朝一で飛び込むべきではない。
今回のケースは、貸金業法の一部を訂正しようという「案が出されただけ」だ。
まだ可決もしていないし、議員立法として提出すらされていない段階だ。
せめて議員立法が出され、国会で審議されるというのならまだしも、案が出ただけというニュースは近寄らない方が賢明である。
マイクロニクスの一時の暴騰もそうだ。
量子電池という二次電池が材料視され、500円から13,800円まで大暴騰した銘柄である。
2月24日~26日までの電池展まで大いに盛り上がったが、その後商品化まで時間がかかる事やビジネスとして成立するのかどうかが疑問視されはじめ、3,400円台までの大暴落劇を演じてみせた。
マイクロニクスにしても、量子電池の商品化には時間がかかる問題ははじめからわかっていたことだ。
また、いくら電池ができてもそれを使用するデバイスも改良しなければならない。
それがいかに非現実的な事かは、誰もが皆思っていたはずなのだが、実際に株価が急騰しているとそういった現実が見えなくなってくるのである。
一方、ニュースによって買って良いケースも当然ある。
日本通信の格安スマホのイオン販売がそれだ。
元々150円~230円あたりをうろついていたが(分割前換算)、ニュースをきっかけに500円にまで迫ろうかという勢いである。
もちろん、日本通信にはATM関連ネタなど他にも材料豊富な上、決算も上方修正が期待されており、一概にニュースだけが高騰した原因ではない。
だが、ニュースがトリガーとなったのは紛れもない事実だ。
日本通信の場合、既に商品は完成どころか販売の段階であり、後はどれだけ売上を伸ばせるかという問題だけである。
今回のアコムやマイクロニクスとは、明らかに状況が違うのである。
もし、ニュースによって高騰する銘柄があった場合、近い将来の話なのか、遠い未来の話なのかを、よく吟味する必要がある。
そのことをよく考え、今後の取引きに役立ててもらいたい。